昔からスタミナ料理など夏バテで疲れた体に効果的とされてきたニラ、その栄養成分は季節を関係なしに摂っておきたいものばかりです。
加熱に弱いニラは独特な香りや栄養をうまく調理に生かすため、ちょっとしたコツも必要です。
日持ちのしない葉野菜、便利な保存方法で常備野菜として活躍させたいところです。
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ニラの栄養成分は?
マルチビタミン野菜と呼ばれるほどで、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などが豊富に含まれており、ビタミンAは緑黄色野菜のなかでもトップクラスです。
その他にも、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、鉄、カリウムが含まれる栄養成分豊富な野菜です。
独特の匂いの成分でもあるアリシンは、様々な健康効果を持つ成分として特に注目です。
ニラの効果効能は?
ニラの効果
よく知られるスタミナ増強や疲労回復、腹痛や二日酔いといった胃痛や胸やけに効果があると言われています。
がん予防や免疫力を高める効果もあり、つわりや貧血、便秘に効果があることから妊婦さんに最適とも言われています。
ニラの効能
ニラの匂いの成分でもあるアリシンは、にんにくにも含まれる疲労回復成分として有名なものです。
ビタミンB1の吸収、持続時間を長くする働きがその代表ですが、その他にも強力な抗酸化作用や抗がん作用、血栓の予防や改善といった効能を持っています。
ビタミンB1は体力の回復だけでなく、むくみや手足のしびれ、イライラや情緒不安定といった精神面にまで影響を与えると言われており非常に重要な栄養素です。
胃腸を整える働きは「二日酔いにはニラの味噌汁が効く」「子どもが間違ってクギを飲んだら。ニラを食べさせる」とまで言われるほどで、薬レベルの効果を発揮します。
強靭な食物繊維を含んでおり、大腸を活性化して便通を促すだけでなく、アリシンが血流を促し、消化液の分泌を促したりと相乗効果的に整腸作用をもたらしていると考えられています。
葉酸を多く含み、貧血や便秘に効果的と妊婦さんにいいと言われるニラですが、老化防止や美肌効果といった妊婦さんだけでなく女性に嬉しい働きが多くある食材です。
ニラの雑学
東南アジアが原産地で、中国では3000年も前から栽培されていたと言われています。
日本にも10世紀頃には伝っており、「古事記」や「万葉集」に登場していました。
江戸時代頃までは薬草として栽培され、野菜として食べられるようになったのは戦後からと、古くて新しい野菜です。
「葉ニラ」「黄ニラ」「花ニラ」の三つの種類に分けられ、一般的によく見られるのは濃い緑色の葉ニラです。
葉ニラに覆いをかぶせて栽培されたものが黄ニラで、葉ニラに比べて香りが弱く、葉が柔らかくて甘みがあり、サラダや冷や奴の薬味として食べるのに向いているそうです。
葉ニラの花径と蕾の部分を花ニラといい、独特の歯触りがあり、ほんのりと甘く、一般的に中国料理の炒め物に用いられる事が多い食材です。
ニラは古い時代から栽培され、野生化したニラが道端や河川敷の土手などで繁茂しているのを見かけます。
ニラと似ているスイセンを食べてしまって食中毒を起こすという事例は非常に多く、家庭菜園で育てていても間違える事例があるほど、スイセンとニラは似ています。
スイセンの方が葉の幅が広く厚みがありますが、確実なのは引っこ抜いて根を見ることです。
スイセンには球根があり、ニラにはなく、ニラの根はひげ根になっています。
食べる直前には切った断面をみて、スイセンはV字になり、ニラは潰れた円形となっているかを見てください。
ニラ独特の匂いも重要な判断ポイントで、匂いをかいでみることも忘れないで下さいね。
ニラの保存方法
乾燥しやすく痛みやすい葉野菜で、買ったその日に調理してしまうのが一番です。
根元部分に濡れたキッチンペーパーをあて、全体を新聞紙で包んでポリ袋に入れて野菜室で保存すれば3日程度保存できるそうです。
切ってから水にいれて保存したほうが日持ちするようで、二日に一回水を変えて冷蔵庫で保存すると、5日~10日ほど保存期間を延ばすことができます。
ニラは冷凍できる葉野菜で、ネギのように使いやすい大きさに切ってから保存袋やタッパーに入れて冷凍保存すれば一ヶ月ほど持ちます。
使うときは解凍するとべちゃべちゃになるので、凍ったまま使うようにしましょう。
美味しいニラの選び方
暑さに強く夏でもたくさん収穫されるニラは、ほぼ一年中出回っている食材です。
そんなニラの旬は春の2月、一番最初に収穫されたものは柔らかく、香りも強くて美味しいそうです。
緑が鮮やかで肉厚なもの、葉の先までピンとハリがあるものを選びます。
切り口がみずみずしく、匂いが強いものが新鮮で栄養もたくさん詰まっていると言われています。
ニラの栄養効果の高い食べ方・調理方法は?
栄養満点のニラですが、ニラは胃の弱い人には刺激が強すぎるので、食べすぎには注意が必要です。
ニラの葉先と根元では栄養成分が違い、疲労回復に力を発揮するアリシンは、根元に葉先の4倍もの量があるとされています。
葉先にはβカロテンやビタミンEが多く含まれていることから、お料理によって使い分けることもポイントになりそうです。
アリシンは細かく刻むと香りが強くなりますが、ビタミンは細かく刻みすぎると栄養素が失われてしまいます。
根元は細かく刻んでぎょうざに、葉先はざっくり切ってレバニラ炒めといった感じでしょうか。
熱に弱い栄養成分も含まれ、もともと生でも食べられる食材なので、ゆでる、炒めるといった加熱時間は短めにしましょう。
疲労回復効果はビタミンB1の吸収を助ける働きですから、豚肉や豆類といったビタミンB1を含む食材と調理することも大きなポイントです。
βカロテンは油と相性がいいことから、栄養効果の高い食べ方として“レバニラ炒め”は納得のメニューです。
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